安全第一 - Blickleホイールとキャスターで作業をより安全に

当誌に掲載のBlickle開発/設計責任者Rolf Hölleとのインタビュー、「私たちのイノベーション」

Blickleでの設計部門の重要性は?
設計者として、我々は製品開発プロセスで重要な役割を担っています。技術開発を担当しているだけでなく、製品を経済的に作ることの責任も負っています。我々の主なタスクは、新製品の開発設計と既存製品の最適化の両方からなります。

„業種によって特性や要件はそれぞれです。イントラロジスティクスでは、人間工学がますます重要視されるようになっています。“

設計部では、7つの専門分野のいずれかの専門家である総勢約50名の社員が働いています。各専門分野では、製品設計とそれに対応する生産設備の設計は連動して行われます。従来型のホイールとキャスターの設計では、Blickleの社内ノウハウに大きく依存しています。一方、新技術の分野に関しては、開発プロセスで専門知識のサポートを提供する外部の機関やプロバイダーにも依存しています。

イントラロジスティクスに使うホイールに適用する特別な要件はなんでしょうか?
業種によって特性や要件はそれぞれです。イントラロジスティクス では、人間工学がますます重要視されるようになっています。 それと同時に、ロジスティクスユニットの手動操作と長距離牽引を組み合わせることも多いです。これには高い動的要件が必要となります。我々のタスクは、これら両者を組み合わせて、操作を操作者にとってのできうる限りの人間工学的なものにすることです。当然ですが、この業界は、低い部品高さで高い速度と 耐荷重を実現するなど他の課題も抱えています。他に、ホイールとキャスターは非常に信頼できるものでなければなりません。イントラロジスティクスでは、ロジスティクスユニットは通常3交代制で運用します。ホイールはこのような条件で5年から7年間保守なしで機能しなければなりません。

安全性に関して、Blickleは何か特別な取り組みがあるでしょうか?設計段階でBlickle製品の信頼性と安全性をどのように確保するのでしょうか?
安全性に関する標準要件は、ホイールとキャスターの規格から生まれるもので、当社も関連の規格委員会に参加して、規格の作成に積極的に寄与しています。最近では、製品を提供するだけでなく、顧客から共同開発に関する問い合わせも増えています。このような場合、我々は結果に対して責任を持って専門的な能力を提供したいと思います。最初から安全性に焦点を絞りたい顧客、例えば、自動車メーカーなどは、開発プロセスの早い段階からの参加を当社に要請しています。これで我々は、ホイールの開発だけでなく、走行装置全般の開発に責任を持ってかかわるようになります。当社はこの分野で多くの経験を積んでいて有能で信頼できると認められています。この経験で、走行装置を構成する個々の部品が、完成後の応用において安全に機能するように設計することができるのです。我々は、設計段階での製品開発と製造の相互関係をきめ細かく把握しているため、安全性の積極的な実践、安全性の形成にも貢献できます。

系列製品の開発と特別なソリューションの開発の違いはなんでしょう?
我々は、小さな改作から完全な新規開発まで、一年間およそ1,500件の開発案件を受注しています。自社開発とは違って、特別ソリューションは顧客主導で行われます。つまり、顧客が仕様書の形で目的の用途を定義するのです。このやり方で顧客にソリューションを設計します。顧客は開発をチェックし、時々サンプルで直接テストすることもあります。全体的に見れば、この点で、Blickleは顧客の開発チェーンの一環を担っています。一方、系列製品は異なる市場セグメントの要件に基づくものです。これをもとに、製品マネジメントと一緒に新製品を練り上げます。続いて、通常、特に設計やプラスチック製キャスターの分野の外部の設計者の協力で設計を固めます。続いて、出来上がったプロトタイプを製品マネジメント、販売、シニアマネジメントによる発売プロセスでさらに最適化した後、最終的に市場に送り出します。

これから設計部はどのようになるのでしょうか?今と比べて、どこに焦点を当てるのでしょう?
数年前から、トレンドはシミュレーションにあることが明らかになってきました。設計し、プロトタイプを作り、修正し、発売するという従来のアプローチは、非常に時間とコストがかかるものです。強度計算に加えて、3Dプリンターで多くの視覚的側面を迅速かつ確実に表現できるため、シミュレーションを設計上の問題にも活用しています。製造工程のシミュレーションを統合することで、製品の挙動を比較的正確に予測し算出できます。これで、開発プロセスを全体として加速させ、顧客の要望を的確に実現できます。製品の性能に求められる要件は明らかに、ますます高くなってきます。

„この経験で、走行装置を構成する個々の部品が、完成後の応用において安全に機能するように設計することができるのです。我々は、設計段階での製品開発と製造の相互関係をきめ細かく把握しているため、安全性の積極的な実践、安全性の形成にも貢献できます。“

例えば、産業用トラックの分野では、駆動力は強力になりつつあります。結果として、当社のホイールやキャスターには、スピード、牽引力、反発力などの面で、より高い要求が課せられるようになっています。また、人間工学がますます重要な話題になってきて、クローズアップされ、転がり抵抗を最適化した走行装置への要求も高まっています。もう一つのトレンドは、インテリジェント・ドライブ・ソリューションです。 人力だけで足りないところは、電気駆動装置で支えるべきです。

一番エキサイティングだと思ったチャレンジは何だったでしょうか?
いつも応用分野の多様さにワクワクします。私たちは、普通Blickleが存在するとは思えないような産業にもかかわっています。例えば、ラボのような環境の孵化施設や、最も高いレベルの清潔さや純度が求められる施設、最高の性能が求められる搾乳システムや収納ロボットの走行装置などです。もちろん、風力発電業界向けの数百トンの耐荷重を持つ走行装置のシミュレーションと実装も忘れないことです。